SDIのメッセージ

(3)販売スタッフの情報活用力を磨く重要性!

■情報が価値を生む時代

リテンション強化、CRM、顧客作り、リピーター獲得、VIP育成、ロイヤルカスタマー数アップ、・・・という言葉が日常的に使われるほど、今の時代は単なる「販売」ではなく、「お客さまの定着化」が販売スタッフの重要ミッションになっている。
背景には、日本人の人口減(特に若者)によりパイの取り合いが厳しくなっているという現実がある。
同時に、生き残り競争が厳しい分、これまでと同じことをやっているだけでは今いるお客さまも離反しかねない状況が存在する。
10年前と比べても、たとえば以下のように私たちを取り巻く環境はますます難しさを増している。

  1. ネットやSNSなどにより幅広い情報を持って買い回りするお客さまが増え、見えない競合他社との競争にさらされている。
  2. モノあまりで、且つモノだけの差別化では難しく、個々にとっての体験価値などのサービスもセットになったトータルの価値で判断される。
  3. 個人情報の管理などコンプライアンス意識が定着し、お客さま自身、自分の住所・連絡先などを残したがらない傾向にあり、その中で関係性を築いていかなければならない。

こうなると店長やベテランスタッフが過去の経験の中で培ってきたノウハウだけでは、新たな動きに対応できなくなる。
個人対個人の関係性構築の本質自体は変わらなくても、アプローチ・コンタクトの方法や、魅力付けの工夫は時代に合わせて新たに創出していかなければならない状況にある。
その際、重要な武器となるのが、限られた時間で収集した貴重な個々のお客さまに関する定量的・定性的な情報である。
その情報こそが、次にそのお客さまにどう働きかけるのが効果的かを示唆してくれるのである。
すなわちスタッフ及び店舗として「情報をどのように料理するか?」によってお客さまに対する魅力づけ、生み出す価値も変わってくる。

たとえば、ルーティーン的に購入履歴に基づき機械的にサンキューレターを出し、DMを出し、新作案内をし、・・・という画一パターンでは逆に嫌われる時代である。
個々の購入動機、こだわり、好み、ライフイベント、ライススタイル、使用場面、等々を具体的に把握しているからこそ、の提案は「おや?」と思っていただきやすいし、次の購入にもつながりやすい。
料理人にたとえれば、常に鮮度の高い食材(情報)の目利きをし、努力して集め、それをどのように組み合わせればお客さま好みの美味しい料理(接客)になるかを常に研究するからこそ、お客さまを飽きさせず足を運ばせることができる。
となると、接客を通して収集するお客さま情報の量・質、その活用の仕方による差別化が重要な意味を持つ。
すなわち、販売スタッフが扱っているのは、お客さまの貴重な情報、とも言えるのである。
そういう目で接客を見ているかどうかは、これからの時代非常に重要ではないか?というのが
ここでの提言である。

■「私向け」と感じさせる接客

私が通っている歯科医院は3ヶ月に一度必ず定期チェックがあり、担当の衛生士の方が継続的にチェックをしてくれる。もう通って2年になるから本来心の距離が縮まって良いはずだが、当初と特に変わってはいない。毎回30分から1時間直接チェックをしてもらい、私の歯に関しては私以上に実態を把握している存在だが、マニュアルに則ったやりとりで毎回終わるため、私自身も親近感は感じないし、もし「担当が変わった」と言われても特に何も思わないだろう。
一方、引っ越す前に数回通った歯科医の衛生士は、チェックをしながら、私自身の仕事内容や共通話題について声をかけてきた。最初は「治療に専念して欲しい」と思っていたが、徐々にリラックスし、その人への興味も出てきて、その衛生士が不在だとちょっと淋しい気になった。引越した後、定期チェックの案内のはがきが転送されてきて、「お待ちしてます」と手書きで書かれているのを見ると、「この近隣にあれば継続して行っていただろう」と思う。
歯科医院はコンビニ店舗よりも数が多いと言われ、淘汰の時代に入っている。
プロとして、患者の歯の状態に関する情報を正しく蓄積し、その変遷を通して今後どのような方針で行くかを適切に判断、リードすることは必須である。これ自体が毎回、「ええっと・・」みたいなことになれば、信用ができなくなる。
しかし、今の時代はきちんとそのレベルの情報は管理されるシステムが整備されている。
となると、その上を一歩行く情報の収集・活用によって心理的にどのような影響を与えるかも重要な判断基準になる。

販売スタッフも同じで、購入履歴はインプットされ、蓄積されている。しかし、大切なのは「いつご来店で、何を買った人か?」以上に「なぜうちのお店で、この時期に、これを購入になったか」「何にこだわっている、何を気にしている、何を望んでいる人か」「ご来店の際とは違って、普段は何をされて、どういう方々と交流する人か」など、数字では表れない、人としての背景情報であり、

それをさりげなく共通話題にしていくからこそ、「One of them」としてさばかれているわけではない、という印象を刻める。

しかし、このちょっとした差を生むためには、実は見えないところで、記憶力に頼るだけではなく、何倍もの努力がいる。
「次にまたお話しするときはこういう話題がいいかも」と次のステップをイメージしながら話をしているかどうかも重要になる。
そういう努力があってこそ、差別化につながる。

■情報を扱う達人に!

シビアに言うと、今の時代は「情報がお金になる」という社会である。
スマホが私達を捉えてはなさないのは、魅力的な情報、自分に役立つ情報、鮮度の高い、あるいは共感性の高い様々な情報が詰まっているからであり、アクセス数が多いところにスポンサー(お金)がつき、発信者・受信者ともにメリットが生まれる。
オンラインの販売サイトでは、個々がいつ、何を何秒見て、何と比べたか?などの閲覧・購入履歴がそのままマーケティング情報として活用される。それもあって、売上は右肩上がりに伸びている。

では、リアル店舗ではどうか?
以前は「商品知識」がプロとして求められる情報だった。しかし、今はその情報もお客さまと同等か、時に追い越されてしまう時代でもある。となると、販売スタッフが発信できる価値ある情報は何か?となると、一般論ではなく、お客さまをリラックスさせ楽しませる、あるいは個々のお客さまにとって役立つ、あるいは共感や親近感をわかちあったり、感情を揺さぶられるきっかけとなる情報である。そのためには、お客さまをよく観察し、見える情報・見えない情報を上手に扱う必要がある。

となると、商品の勉強だけではなく、観察力を磨く、幅広い話題に対応できる、より深いファッション等の知識、・・-あたりまえのことだが、引き出しをたくさん持ち、日々更新していくことが魅力を増す上で、いよいよ重要になっている。
単に「販売する」だけでなく、「関係性を構築できる魅力を持ったスタッフを育成すること」が店長に求められる役割にもなっている。それを感覚論ではなく、「どの角度で、どのような情報を集め、どのように活用すると効果的か」を一緒に研究し、レベルアップできるようチャレンジしてみてはいかがだろうか?

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