ラグジュアリーブランド店長ブログ

(38)商品ありきで商品説明をするスタッフは徐々に不要になる!ファッションアドバイザーとはお客様の自己実現・自己表現をサポートするプロ

ミレニアル世代のこだわりへの対応

「着る物を選ぶということは、自分の生き方を選ぶことだ」(ココ・シャネル)と言われるように、ファッション(衣服・装身具・髪型・お化粧・香水等)は着る人の“美意識”をそのままあらわすと同時に、“個性”を表現する手段と認識されている。

だからこそ、多くの人はTPOに応じて「どういう自分でありたいか」「どういう自分と見られたいか」を考えて服や持ち物を選ぶ。
ということは、店舗に来られるお客様もその段階で明確に意識している、していないにかかわらず、その奥には何かしら「こんな自分でありたい」「この人たちからこういう自分であると思われたい」という欲求を持っており、それを物差しに、「合う・合わない」を判断していると言える。

それに対して販売スタッフ(ファッションアドバイザー)がお客様の興味を引くために「こちら新作ですよ」「こちら人気ですよ」という画一的なアプローチで終わっていたり、「うちのこの商品がいかに素晴らしいか」を一方的に滔々と説明しても、本来のファッションアドバイザーの価値は生みだせない。

ファッションアドバイザーは説明屋や押しつけ屋ではなく、あくまで「お客様の自己実現支援」「お客様が思う自己表現支援」のためにいるプロとしての役割が期待されている。

ファッションただし昨今のミレニアル世代は、単に見た目だけが選択の基準ではない。
「クール」という言葉をよく聞くようになったが、「いけてる」「かっこいい」は単に流行っているものを持っている、ではなく、「自分に合うものをよくわかっていて、それをユニークに、あるいは上手に着こなしている」というあくまで本人の個性を活かしているかどうかが重要なポイントと言える。
浮きすぎてもダメ、ただ奇抜なだけでもダメ、でも自分らしくにはこだわりたい、となった際、どうすればそれに近づくことができるか、
それを的確にアドバイスしてくれる存在を求める人にとってファッションアドバイザーは重要な助っ人である。

もちろんこれまでもいろいろなことにこだわるお客様は多かった。「カラー」「縫製」「スタイル」「トレンド」などなど。
ただしミレニアル世代はたとえば「エコにこだわる」→「どんな素材であるか」「どんな工程でつくられているか」「どんなポリシーを持ったブランドか」、あるいは「差別反対」→「どんなモデルを使っているブランドか」「どういう理念を持ったブランドか」など、表には出にくい一歩踏み込んだところまでこだわる層も徐々に増えてきている。
ということはファッションアドバイザーは店頭にある商品の知識を知っていればよい、というレベルではなく、SDGsの概要や、自ブランドの哲学、SDGsに関する活動、サプライチェーン、製造工程などについてもしっかり頭に入れて対応することも求められる。

時代の流れを読んでプロアクティブに!

振り返る

もちろんHPやSNSでブランドの情報を発信しているところが多いが、文面だけの情報は人それぞれ受け止め方も異なる。
フィルターを通して歪んで伝わることもある。だからこそ、直接対面しているスタッフが、お客様のこだわりに合わせて正しくブランドの情報・取り組みを伝えることも、重要なミッションとなる。
時代の変化を超えてブランドが存続できるかどうかのカギは消費者(お客様)が握っている。名だたるブランドであってもサステナブル追及やDXを含めた環境変化の中では絶対安泰ということはあり得ない。
だからこそ各ブランドも危機感をもって様々な取り組みを通して時代を超えた本物の価値を次世代の消費者にもしっかり伝え、絆を深めていこうとしている。
お客様との直接接点を担うファッションアドバイザーは、こうした時代の流れを読むとともに、未来に向けて柔軟に新しいことにトライし、ノウハウ化するプロアクティブさが求められる。時代の過渡期は様々な失敗や葛藤も想定されるが、それが実を結んだ時の喜びは、働くうえでもまた新しい世界をもたらしてくれると考える。

PAGE TOP