SDIのメッセージ

(34)エンゲージメント・クリエイターは、ブランドとお客様とのつながりをより豊かにし、その先のお客様ともつながる!

低成長が続き且つ日本の若者人口が減り続ける中、将来を考えるとリピーターを創ることは重要課題であり、多くの店舗で自店舗のリピート率を上げるべく、1回購入いただいたお客様に対してしっかりフォローアップし、継続的に買い物していただくための様々な努力を重ねている。
競合店がひしめく状況下で選ばれ続けるためには、囲い込み作戦として新作のご案内はもとより、イベントへのお誘い、特典のご用意、パーソナルなおもてなし、など年々対応もレベルアップしており、高い基準の中でのお客様の争奪戦となっている。

争奪戦

しかし決めるのはお客さまである。
お客様は日々様々なブランドからたくさんの情報通知や勧誘を受ける。スマホには24時間365日ひっきりなしに情報が流れ込む。
各ブランドのインフルエンサーも魅力的な発信をする。レヴューもいろいろ。目移りしても仕方がない状況もある。
環境もめまぐるしく変わる中、自店舗のリピート率を上げるには何が大切なのだろうか?

あるブログに「お客様を囲い込むなんて古い発想。だって囲い込まれたくもないし、それを感じると逃げ出したくなる」というコメントがあった。
そう、知らず知らず私たちは「自店舗でいかにお客様を囲い込むか」という命題に縛られ、「お客様を逃がさない」という想いに取りつかれてしまっていたりする。しかしこれはあくまで売る側、企業側の発想であり、狭い領域での評価指標である。

お客様の側に立ってみると、“買い物ぐらいは「自由」にしたい。自分がいいと思うものを選びたいし、必要以上に介入されたくないし、縛られたくない。せっかくたくさん選択肢があって、だからこそ買い物も楽しいのである“と考える人も多い。
であれば、大切なのは目の前のお客様を何としても顧客として自店舗に縛り付けることではなく、当店にわざわざいらっしゃったお客様には「他にはない価値を感じる体験ができた」と実感いただき、その体験をお友達に広めてもらうことで、自ブランドや自店に好意や興味を持っていただけるお客様を増やすことではないだろうか。

その場ではすぐ購入にならなくても「どうしようかな」「何か欲しいな」と思ったとき、これまでのポジティブな情報の積み上げによって「せっかくだったら○○を見てから考えよう」「●●で買おうかな」と頭に浮かべてもらう、そういう人の母数が増えることで結果的にブランド全体の売上アップに貢献できる。購入はオンラインからであっても、他店からであったとしてもブランドの売り上げとしては同じである、と受け止められる状況が大切となる。

ブランド店 店頭接客 コロナ後

これからの時代は、リアルとネットの融合が前提となるため、「自店舗で買ってもらおう」と限られた場だけで何とかしようとしても限界がある。本当の意味でお客様の行動や心理を理解した上で、ブランドとお客様の接点すべての中で、自店舗が果たす役割を再度見つめなおし、デザインしなおすことが必要になる。

エンゲージメントクリエーター

たとえばSNSでつながる世界では”新鮮な情報、自分だけが知っている情報、皆にとって役立つ情報”を発信したい、という欲求を持っている人が多い。「インスタ映え」というキーワードはまさにその心理を投影している。
その人が「へえ~」という情報やリアル体験がそこにあれば、SNSに投稿され拡散につながる確率は高い。
SNSのつながりは一つのコミュニティであるため、同じように共感したり、へえーと思っていただけることが多いからである。
最近はネットで下調べをして来店するケースが多く、ある程度のブランド知識や商品知識、売れ筋などはすでに理解している人が多い。
では、それを超えてあなたのお店で“今日来ていただいたお客様”に提供できる「へえ~」は何だろうか?

自分達にとっては当たり前のことかもしれないが、お客様の立場に立ってみれば「へえ~」と思うことは多々ありうる。

たとえば見るからにブランドに慣れていないお客様との会話の中で「実は私上京したばっかりだからちょっと緊張してて・・・」「え、就職で、ですか?おめでとうございます。お差支えなければどちらから?」「仙台です」「え、仙台ですか?実はうちには仙台出身のスタッフが2名もいるんですよ!」「へえ~」「二人とももうすっかり東京人ですけど」「私もそうなれますかね」「きっと。東京生活で困ったことがあったら何でも聞いてくださいよ。仙台出身のスタッフと一緒にお教えしますよ」「ありがとう」

こういうやりとり一つでも、その人にとっては「東京で思いがけず××で親切な店員さんに会った」という“つぶやき”になるかもしれない。「いいね!」がつくと、より自分がいいと感じたお店への愛着が強まる。それも人間心理である。
(実際、新入社員研修でミステリーショッパーを行ってもらったときのエピソードである。彼女はこのブランドが好きになったので、通勤バッグを買いたいと言っていた。ファーストブランドという位置づけで考えると、“今は不安だがあの店員さんから買うことで、このバッグを持つと明るい気持ちで仕事に向かえる気がしたから奮発する”とのことだった。それを聞いていた周りの新入社員も「へえ~」と好印象を持った様子だった)

あるいは「みんな知ってる?●●はこうやって組み合わせると~というコンプレックスを解消できるんだよ。今日店員さんに教えてもらった裏技!」なども「へえ~」の体験である。
ということは私たちは自店で販売している商品の知識だけをインプットしていては限界がある。
お客様がどういうことに困っていたり、どんな情報を欲しがっているか、あるいはどんなことに興味を持っているかを掴んで、それに対応できる幅広い知識や人脈を日ごろから蓄えておくこともこれからの時代には重要な武器になる。(そんな時にもデジタルツールは強い味方になる)
そのためには、常に私たち自身が高い情報アンテナを立て、お客様からもたくさん生きた情報をいただく貪欲さも必要である。

エンゲージメントクリエーターリアルな場面でインタラクティブ且つエモーショナルな会話ができる貴重な機会を与えられているのが店舗のエンゲージメント・クリエイターである。
お客様の生活や買い物をより豊かなモノにするために、価値ある体験をデザイン・提供することで自ブランドが展開する世界へお客様をいざない、長期にわたってブランドとの絆をぐっと深めることができる。

それは確かにロボットではできない素晴らしい仕事であると思う。

PAGE TOP