SDIのメッセージ

(33)再購入だけが目的の顧客づくりでは限界。エンゲージメント・クリエイターはより多くのお客様とのつながりを創造し、業績アップに貢献する!

先日数名でオンライン研修の事前打ち合わせをしていた際、メンバーの一人が「せっかくですからMURALを使ってみるとどうかな。結構会議が盛り上がるかも」とつぶやいた。
MURAL???心の中では「なんだろう、それって」と思ったが、別の一人がすかさず「確かにMURALは効果的かも。ただ、いきなり使えるものではないから、事前に使い方のトレーニングをする必要がありね。それができれば、すごくいいと思う」と発言。
またまた心の中では「知らないのは私だけ?」という焦りが生まれる。
あわててググると新しい会議用デジタルツールであることが判明。でも「何でこれがいいんだろう?」と打ち合わせ後自分でトライしてみる。少々手間取ったが、使い方が見えてくれば確かに同じミーティングをするにしても面白いかも、と感じた。

こういう経験は多くの人にあるのではないだろうか。すなわち、自分にとっては未知のもので、当然興味もなかったが、知り合い(複数であるほど)が「これいいね」と言い始めると、急に気になり始め「トライしてみないと」あるいは「トライしてみたい」という気になる。
「自分だけ乗り遅れたくない」という心理もあるし、「そんなにいいモノなら、試してみないと損」という心理もある。
いずれにせよ、興味を引き出し行動を起こさせるパワーを持っているのが、このような人のネットワークから得られる口コミ・レヴュー・評価情報である。

ある時期それを狙って「お友達やご家族を紹介していただくと謝礼を差し上げます」というご紹介キャンペーンをよく見かけた。
しかし、人間とは不思議なもので、そういう利害が絡むと逆に「紹介」に責任感が生まれて負担に感じたり、「自分のために紹介している」と思われて関係性が壊れることを恐れる。ゆえに、期待ほど効果を生まないとも聞く。

「購買を強いる」「強く誘導する」という意図ではなく、「そういえば、こんなのがあってね。私は気に入ったんだ」「あ、私も」という何気ない会話やつぶやきこそが、第三者の興味を引き出したり、試そうとする行為に導いたりする。そこには無理強いはなく、あるのは「いい体験をしたという情報をシェアしたい」という気持ちだけである。

これからの時代において、ブランドのお客様を増やしていく、売り上げにつなげていくには、こういう「いい体験のシェア」をにらんだ働きかけが重要になる。
いい体験をしたと感じた人がそれを仲間にシェアすることで、自発的に「試したい」と思う人が出てくる。その人がブランドを試して、期待通りの経験ができれば、さらに評判は広がっていく。そこで価値ある体験を提供し続けることができれば、企業として期待した以上の成果が生まれる。それは会社としての努力もあるが、エンゲージメント・クリエイターの存在価値が思う存分発揮された結果でもある。

そのためには、まず「目の前のお客様だけがお客様」という意識を切り替える必要がある。
すなわち「目の前のお客様とつながっている目の前にいないお客様」も意識して、どのように目の前のお客様にとって「人に話したくなる価値ある体験」を提供できるか?を研究することが重要になる。それこそがエンゲージメント・クリエイターの仕事であり、逆に言うと「(目の前の)この人に何を販売しようか」と考えているだけでは、そこには到底到達できない。

ただし、お客様の興味度合いも違えば、ブランド理解度、共感度も違う中で、エンゲージメント・クリエイターはそれぞれのお客様を観察洞察し、コミュニケーションをとりながら、一人一人に合った体験価値をデザインするという重要なミッションを担う。
当然一人ですべてを完結しようと思っても限界はある。それを助けてくれるのが深化し続けるデジタルツールであり、常に「もっとできることはないか」を考え続ける改善サイクルである。

ロールプレイング撮影

たとえば洋服販売で「友達の話を聞いてきて、確かにヴィヴィッドな色合いで素敵だけれど、私には派手すぎるから」とお客様がおっしゃったとしたら?
エンゲージメント・クリエイターは(事前にアイパッドに登録いただいたお客様の写真・サイズを使いながら)「それでは客観的にどう見えるか、アイパッドでご自身が着用された画像イメージをご覧になってみてください。こんなコーディネートなら少し抑え気味な中でもアクセントが効いて、お客様の新しい一面が見られると思うのですが」。
エンゲージメント・クリエイターはパーソナルスタイリストとして、タッチパネルをスライドしながらピックアップした洋服との組み合わせで画像を見ていただき、お客様の着用場面も踏まえ一緒にイメージをふくらませながら、「へえ、そんな風に見えるのか」など新しい発見をしていただくという体験を提供できる。(ヘアスタイルやその時持つバッグや靴などもアレンジ可能)

そのことがお客様にとっては、従来ありがちだった「そんなことないです。お似合いです」で押し付けられたり、1~2点持ってきて「例えばこれと組み合わせてみてみてください」と言われ、やっぱり違うな、また来ます、で終わっていた接客とは異なってくる。
化粧品ではもうすでに当たり前になっている技術であるが、それが洋服等にも使われてお互いにとって楽しい時間を過ごすことにもつながる。

今の延長線上の発想で「大変なことを求められる」とため息をつくのではなく、これからどんどん新しいツールが生まれてきて「これまでやりたくてもできなかったことができるようになる。新しい世界にシフトできる!」という気持ちで未来に挑むマインドこそがエンゲージメント・クリエイターにつながる道であり、彼ら・彼女らはより多くの人をさらにハッピーにできるようになると信じている。

PAGE TOP